ふだん映画はほとんど観ないのですが、10月はなんと2本も映画館へ行きました。
「ピアノフォルテ」ー2021年ショパンコンクールのドキュメンタリー
「フジコ・ヘミング 永遠の音色」ーフジコ・ヘミングさんの半生を描いた作品です。

さらに興味がわいて、昨年公開された映画「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」もアマプラで観てみました。

こんにちは！

ピアノおとぎ箱♪赤山町教室の高橋美佐です。

フジコ・ヘミングさんは2024年4月に92歳で亡くなられました。
ブレイクのきっかけになったNHKの番組は観ていませんが、

当時は大きな話題になっていて、

私も「ラ・カンパネラ」のCDを買って聴いたことを覚えています。

正直に言うと、当時の私はフジコさんの演奏があまり好きではありませんでした。
「お手本」にはならないタイプのピアニストだと思っていたのです。
それでも、2022年に初めて生演奏（コンサート）を聴いてみることにしました。

その頃のフジコさんはすでにご自分で歩くこともできず、演奏もほんの少しだけ。
共演されたアンサンブルの方々の演奏がとても素晴らしく、「元は取れた」と思ったほどです。
ただ、残念ながらフジコさんの演奏にはあまり満足できませんでした。

今回の映画では、演奏シーンがたっぷり。
そして映画館の音響システムのおかげで、生演奏のように豊かな音を味わうことができました。
その音はとても美しく澄んでいて、「もう少しお元気な頃に聴いてみたかった」と思わずにはいられませんでした。

往年の名ピアニストたちもそうですが、「どうしてこのフォームで弾けるの？」と思うような独特な弾き方。
それでも、指がピアノに吸い付くような安定感がありました。

彼女の人生は、まさに「数奇な運命」という言葉がぴったりです。
私たちの生きる時代とはまるで違う環境の中で、ご自分の信念を貫き、最後には世界に認められた。
その姿には、特別な使命のようなものを感じます。

「個性」とは何か？
改めて考えさせられる時間でした。

映画そのものもとても素晴らしく、家族との絆や、人生を大切に生きた姿に心が温かくなりました。

ピアノを学ぶ中でも、

「自分らしい音」「自分だけの表現」を見つけていくことは、

とても大切なことだと思います。
テクニックや正確さだけでなく、心を込めて音を紡ぐこと。
それがフジコさんのように、人の心に届く音楽へとつながっていくのかもしれません。

当教室でも、生徒さん一人ひとりが「自分の音」を見つけられるよう、丁寧にレッスンを行っています。

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