2026.03.24
「天地創造」を終えて、チェンバロ演奏から得た気づき:越谷・新越谷のピアノ教室
さる3/22 (日)池袋東京芸術劇場にて
武蔵野合唱団創立70周年記念 第2弾
第56回定期演奏会「天地創造」が行われました。
指揮:下野竜也
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
ソプラノ:澤江衣里
テノール:櫻田 亮
バリトン:原田 圭
こんにちは!
ピアノおとぎ箱♪赤山町教室の高橋美佐です。
今回、私はオーケストラの中でチェンバロ、いわゆる通奏低音を弾くという役割を任せていただきました。
①合唱団の「稽古ピアニスト」
武蔵野合唱団では、長い間、合唱団の稽古でピアノを弾かせていただいています。
合唱団の中のピアニストというのは、単にピアノを上手に弾くという仕事ではありません。
一言で言うなら、指揮者の要求を素早く判断し、それを実現するために先回りして合唱団をリードする。
その日の稽古の目的、そして今この瞬間の練習の目的に合った伴奏をする。
→練習を前に進める推進役
②本番の伴奏ピアニスト
一方で、本番で伴奏を弾く場合には、また別の弾き方があります。
稽古のための演奏とは全く違い、作品として成立させるための演奏です。
→完成形を支える役割
これらについては以前にもブログに書いたことがありますから、
今日は、別な視点からの気づきを書いてみたいと思います。
③オーケストラの中の鍵盤奏者
オーケストラの中で演奏するということは、さまざまな楽器の中の「一つのパート」であるということです。
チェンバロやピアノの場合は一人で一パートを担当しますが、
弦楽器などの場合は複数人で一つのパートを作るので、さらに「その中の一人」という位置づけになります。
それは決して責任が軽くなるということではありません。
むしろ、自分勝手な判断は決して許されないという意味で、非常に厳しい立場でもあります。
稽古ピアノの場合、ピアノ一人でオーケストラ全体の役割を担っており、自分判断で音楽を前に進めていく場面も多くあります。
しかしオーケストラの中では、たとえ自分が「こうだ」と思ったとしても、自分一人の判断で見切り発車することはできません。
普段私は、指揮者の意図をいち早く察知し、瞬発力をもって動くことを大切にしています。
しかしオーケストラの中でそれをやると、かえって浮いてしまうのです。
大切なのは、周りの演奏者の呼吸を感じながら、一緒に歩んでいくこと。普段からオーケストラで演奏している団員の方々のアンサンブルは、本当に絶妙で、まさに職人技だと感じました。
④ビート感・和声感
今回チェンバロを弾く中で、ピアニスティックな奏法ではうまくいかない場面がたくさんありました。
そのときに助けになったのが、ビート感や和声感でした。
ピアニストは普段から「たくさんの音」を弾くことに慣れています。
一方、他の楽器は、基本的に一度に出せる音は「一つ」です。
それでも、単音の連なりの中にビートが感じられたり
その音の裏側にある「和音の色」が見えてくるように演奏されます。
そこに耳を傾けることができると、
弾きづらかった音形も不思議なほど自然に弾けるようになりました。
そしてそれは、決してチェンバロだけの話ではありません。
ピアノの演奏にも、そしてすべての音楽に通じることだと思います。
⑤音楽を作る要素は
合唱では、どうしてもメロディーや言葉からのアプローチが多くなります。
ドイツ語やラテン語、日本語など、言葉の意味やニュアンスを理解しながら音楽を作っていくことはとても大切です。
また歌である以上、発声という問題もあります。
身体の使い方、つまり楽器の使い方ですね。
しかし同時に、ビートや和声のことも、もっと考える必要があると感じました。
トンネル工事を想像してみてください。
トンネルは普通、こちら側からだけではなく、向こう側からも掘り進めていき、真ん中で貫通させます。
音楽作りもそれと同じです。
言葉やメロディー、発声といったアプローチという片側からだけでなく、ビートや和声という「構造」の側からも掘り進めていく。
そうすることで、より早く、より正確に、その曲の「音楽」そのものにたどり着けるのではないかと思いました。。
そして、その役割を担えるのは、
やはりピアニストなのではないかと思いました。
⑥まとめ
これまでとやること自体が大きく変わるわけではありません。
でも、より明確な意図を持って、ビートや和声という側面から音楽を支えていく。
今回の経験を通して、そんなことを強く感じました。
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