REPORTレポート

越ヶ谷こどもかふぇ食堂 ぽらむの家さんにおじゃましました!

2019.11.20



越谷市内にある「越ヶ谷こどもかふぇ食堂 ぽらむの家」
 

  2018年のGWにオープンした『ぽらむの家』。
「ぽらむ」とは韓国語で「やりがい」といった意味とのこと。
代表の青山享美(あおやま きょうみ)さんは、会社勤めのかたわら現在小学校5年生の女の子と3年生の男の子をひとりで育てる2児の母でもあります。
そんな忙しい日々の中、「こども食堂」を始めようと思ったきっかけや、「こども食堂」の置かれた現状などについてお話を伺いました。


『ぽらむの家』代表 青山享美さん 

 
 
『ぽらむの家』開催までの経緯

青山さんのように、働く母親としてまず考えなければならないのが、自分が居ない間子供をどうするかということではないでしょうか。
頼れる先がない場合、留守にしている間の子どもの居場所や食事のことを考えなくてはなりません。
仕事や離婚のことで忙しくしていた当時、青山さんもそのことで頭を悩ませていました。

「仕事で疲れて帰宅してからの食事の用意は、せいぜい手作りのおかず一品がいいところ。
お腹を空かせた子供たちのために早く準備したいけど、お惣菜を買うにも毎日では金銭的にきついし、栄養的にも心配で」

「近所の人がお裾分けするような感覚で、お母さんたちが集まって、子ども達に食事を食べさせてあげられるような場所があったなら…と考えるうち、こども食堂をやりたいという想いに至りました」


周囲に相談しているうちに知り合いの飲み屋さんがお店の休業日に場所の提供を申し出てくれ、月1回のペースではじめることになりました。
第1回開催時には初めてにもかかわらず100人もの人が集まってくれ、当然一度には入り切らないので外で順番待ちすることに…。
騒音などのご近所迷惑を考え、場所を自治会館に変えたのち、たどり着いたのがこの古民家でした。
ここでも利用者がどんどん増え、今では毎週月曜日、お手伝いの大学生を含め毎回50~60人が利用しています。


『ぽらむの家』は建物右の通路奥。手前は「こどものアトリエ コトリエ」、2階は別の会社となっています。


 
運営について
 
こういった活動をするにあたり、気になるのが食材やその他運営費をどうやりくりしているのか?ということ。

「食材については食事代として頂いているお金に加え、グリーンマルシェさんからは野菜、お肉屋さんからはお肉の寄付をしていただくなど、個人様や企業様からの寄付や、毎週来てくださる方が多めに払ってくれたりして賄ってます。その他にも農業をしている方に野菜を分けてもらったりすることもあります」

「場所代についてはアトリエや事務所として貸している家賃を充当しています。幸い最近は多くの人が利用してくれるので、余ったお金で調味料などを買ったり、イベント時のお菓子代にまわせるんです」


とのことでした。
その他、青山さんの知り合いやご近所の方々が調理を担当したり、教育の勉強をしている学生が子供の面倒をみてくれたりと、地域の方々のボランティアによって支えられています。
この日はハロウィンイベントということもあって、青山さんのお勤め先の方々がプレゼントを持って駆けつけていらっしゃいました。
 


 
こども食堂の課題

今や全国に広がりを見せる「こども食堂」ですが、メディアの影響で「ひとり親や貧困家庭のためのもの」というイメージが定着してしまっている、と青山さん。

「『ぽらむの家』のことを話すと、「うちはそういう家庭じゃないから」と断られたこともあります。
そうではなくて、おじいちゃん、おばあちゃんでも誰でも一緒に過ごせる場所にしたい、「貧困」という発想自体を払拭したいんです」


と青山さんはおっしゃいます。

「子育てについて相談できる人がおらず、一人で悩んでいる人にもここに来てもらって、子どもをみてもらう間ゆっくりご飯を食べたり、お母さん同士で相談できる場所にしたい」

とも。

また、「こども食堂」を利用したくても存在を知らない人や、時間帯や色々な事情でできない人に向けて、「パントリー※」にも取り組みたい、と話されました。
ここでネックになっているのが食材の保管場所の確保。この問題さえクリアできれば、今すぐにでも始められる体制は整っているとのことです。
「こども食堂」を利用する人だけでなく、その周りにいる支援の手の届かない人たちもすくい上げたい…けれどもまだまだ取り組むべき課題が多く残っているのが現状のようです。

※パントリー…フードパントリーとも言い、困窮ひとり親家庭に向けて食品を配布する取り組み。


「食事の提供だけでなく、子ども達はもちろん、誰でもが立ち寄れる場所にしたい」と青山さん。

 
ご寄付のお願い
 
『ぽらむの家』へご寄付いただける方は、以下口座にお振込みお願いいたします。また、この活動を広く知っていただくために、FacebookのフォローやSNSなどでの拡散も歓迎いたします。
 

◆郵便局からお振込み
ゆうちょ銀行 記号10390-2 番号89513071

 

◆他の金融機関からお振込み

店名 〇三八 (読み ゼロサンハチ)
店番 038
口座番号 普通 8951307
 
 
スタッフ感想
 
お子さん二人の子育てと、会社で働きながら毎週月曜、祝日でもこども食堂を開催している青山さん。
どんなにか忙しい日々を送っておられるんだろう、疲れたりしないのだろうか?と思いきや、「好きなことをしているから楽しい、全く苦にならない」とのこと。
お話を伺っている途中でも「あれもしたい、これもしたい」と次々にアイデアが浮かんで、とにかくパワフルでエネルギーにあふれ、「子供たちのために」何かをしたい!という想いがこちらにもひしひしと伝わってきました。
(きのこ部&kinamama)
 

近隣の主婦や、ご近所の有志の方々が調理などを担当しています。

自主的に大きい子が小さい子の面倒をみていたり…こういったことが自然とできる環境です。


 

季節毎のイベントも考えているとのこと。この日はハロウィンの飾りつけでした。

食事が終わっても、みんなでいっしょに楽しみます。


 

食事はバイキング方式、めいめいがお皿を持って好きなだけよそいます。

スタッフも子どもたちと一緒においしくいただきました。
 

 
越ヶ谷こどもかふぇ食堂 ぽらむの家

〒343-0818
埼玉県越谷市越ヶ谷本町8−3
TEL 080-6785-4551

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WRITERこの記事の投稿者

koshimaro & miyabi

「こしがやWEB」のキャラクター、越谷だるまのコシマロ&ミヤビちゃんです。

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