越谷のホットな情報をお届け。こしがやWEB

 

TOPICSトピックス

2019.02.05

ダブルケア世代のご家庭を応援します

「暮らしのミカタ」ダブルケア世代のための保険・年金・介護・相続・不動産・終活の不安解消、相談サービス

こしがやWEBは、暮らしにまつわる地域の専門家と連携し、身になる知識、役に立つ情報提供や気軽に参加できる講座・相談会などを企画していく「暮らしのミカタ」サービスを提案していきます。
 
「暮らしのミカタ」はとくに、親の介護と子どもの成長を見守り、毎日が忙しなくハードな日々を送っている、いわゆるダブルケア世代のご家庭を応援できるように、生活に関する各種の専門家から「保険・年金・介護・相続・不動産・終活」等の分からないことや、不安の解消、一般では難しい問題なども解決できるように、そして明るい未来を築くための情報提供と相談窓口の開設を行ってまいります。
 

第1弾は、「相続」に関する情報です。


■相続でどれくらい揉めている?数字で見る「争族」の実態
 
あんなに仲の良かった兄弟が、両親が亡くなった後の遺産分割で揉めて絶縁状態に‥‥、これは決してドラマや有名人だけの世界ではなく、意外と身近に起こっていることかもしれません。また、知人がこのようなことになってしまった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
「ウチに限ってはそんなことは‥‥」と考えていても、いざ相続が起きた後に揉めてしまうかもしれません。そうならないために生前の遺産分割対策を考えていくわけですが、今回は、実際に遺産分割でどれだけの人が揉めているのかという「争族」の実態について、数字を交えながらお伝えしていきます。

 
年間でこれだけの数の揉め事が起きている
 
裁判所HPによると、平成29年度の全国の家庭裁判所で起きた遺産分割の事件数は12,166件となっています。平成28年中に亡くなった方が約131万人(平成27年は約129万人)ですので、相続が起きたご家庭の約1%、100世帯に1世帯は遺産分割の話し合いがまとまらずに揉めているという計算になります。決して「万が一」の事ではなく、一定の確率で起こることだと言えます。
 
通常の話し合いでは遺産分割が先に進まないので、裁判所に「調停」や「審判」の申し立てをして解決・妥協等を図るのですが、話し合いは代理人や調停人を通じて行われることからもわかるように、この時点で相続人間の関係はすでに悪化・崩壊していることが想像できます。

 
解決までの期間は長期にわたることも
 
また遺産分割で揉めた場合、話し合いがまとまるまでにどれくらいの時間がかかっているのでしょうか。こちらも裁判所HPによると、「調停成立」した6,736件のうち2,087件が1年以上もの審理期間がかかっています。
 
相続税の納税・申告義務がある場合には、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に申告書を提出する必要があります。遺産分割がまとまらない場合、「配偶者控除」や「小規模宅地等の特例」等が適用できず、「法定相続分で相続をした」として申告をすることになります。「配偶者控除」「小規模宅地等の特例」については、3年以内に遺産分割がまとまり申告をし直せば払いすぎた税金が還付されますが、一度は税金を支払う必要がありますので、相続財産の額によっては税負担が大きくなるケースも出てきます。
 
また、調停成立までに審理を実施した回数は、2,861件が6回以上、そのうち941件は11回以上となっています。成立までの期間が長くなればその分審理の回数も多くなる傾向にあります。
 
このように審理期間が長くなった場合には、一度相続税を納税しなければいけないという金銭的な負担の他、精神的な負担も大きくなることが推測されます。

 
「争族」は財産額の多寡に関わらず起こる
 
では遺産分割で「争族」となっているケースでは、どれくらいの財産額をめぐって揉めているのでしょうか。こちらは認容・調停成立した7,520件のうち、遺産の価額が5,000万円以下の場合が5,679件、5,000万円以上の場合が1,426件となっています(算定不能・不詳の415件を除く)。また5,000万円以上のうち、1億円を超える場合が529件となっています。
 
この数字からは、被相続人が遺した財産の多寡にかかわらず、お金が関係してくると家族間でも揉め事が起きるということが見て取れます。また、2015年に相続税が改正され基礎控除額が下がったことにより、以前よりも「相続」「相続税」に対する意識が高まったことも影響していると考えられます。税負担をできるだけ減らしたい、受け取れる権利の分は財産を相続したい、他の相続人より相続財産が少ない、分割できる財産が無い、等、様々な状況や相続人の思惑がある中で、意見が一致しないことによって、「争族」に発展してしまうケースもあるのではないでしょうか。
 
 
以上、今回は裁判所の数字とともに遺産分割についてお伝えしましたが、裁判所の事件数の多くの場合、財産を遺す側も財産を引き継ぐ側も、はじめから揉めようとは考えてはいなかったと思います。できるだけ争い事を回避するために決して他人事とは考えずに、早い段階から遺産分割の対策を考えておく必要があると考えます。

筆者:澤田 明(さわだ あきら)