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FP EYE 澤田朗FP事務所 越谷分所

2024.01.24

身内が認知症になってしまった場合に利用できる成年後見制度|越谷の相続・後見制度の相談は澤田朗FP事務所


身内の方が認知症になってしまった場合、買い物や財産の管理などを自分でできなくなってしまったり、詐欺などの被害に遭ってしまうことも考えられます。

 

常にほかの身内の方がそばにいればサポートできますが、遠方に住んでいる場合などは、サポートが難しくなることも考えられます。

 

こんな時に利用できるのが「成年後見制度」です。この制度を利用することで、「成年後見人等」が日常生活のサポートや財産管理などを行えるようになり、相続の際も認知症になってしまった人の代理人となり遺産分割協議などが行えます。

 

今回のコラムからは成年後見制度について、利用するための手続きの流れやどのようなことを行ってくれるかなど、制度の概要を数回に分けてお伝えします。

 

■2種類ある成年後見制度

成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害等によって判断能力が十分ではない方(以下「本人」)を、援助者である「成年後見人等」が法律的に保護・支援する制度です。成年後見制度には「任意後見制度」「法定後見制度」があり、今回からお伝えするのは、法定後見制度の内容です。

 

1.任意後見制度

本人に十分な判断能力があるときに「任意後見人」を選び、判断能力が低下した場合にどのようなことを行ってもらうかを公正証書によって契約しておくものです。本人が事前に自分のために備えておく制度となり、認知症になった後には利用できません。

 

2.法定後見制度

法定後見制度は認知症になった後に利用できます。家庭裁判所に申立をすることで成年後見人等が選任され、日常生活の援助や財産の管理などを行います。本人の判断能力に応じて「成年後見人」「保佐人」「補助人」がサポートを行いますが、代理できる行為の範囲などが異なります。

 

■成年後見制度の申立から後見業務終了までの流れ

成年後見制度を利用するためには、家庭裁判所への申立が必要です。申立を行えるのは本人、配偶者、4親等以内の親族などです。その後、裁判所が様々な調査・審査を行い、本人には「補助」「保佐」「後見」のうち、どの援助が必要なのか審判が下され、成年後見人等が選任されます。

 

成年後見人等は本人の財産の適正な管理や、本人の利益を保護するために必要な代理行為等を行います。また、財産目録や年間の収支予定表などを作成し、その後見業務について裁判所に定期的に報告することが義務付けられています。

 

このような業務が日々行われ、本人が亡くなると後見業務が終了します。

 

■本人の財産額や種類によってはさらに別の制度を利用する必要が

成年後見等の開始時点で本人の財産額や種類が多い場合や、開始後に不動産売却や遺産分割などによって本人の財産の額や種類が多くなった場合は、財産を適正に管理する目的で成年後見人等とは別に「監督人」が選任される場合があります。

 

また、「後見制度支援信託」や「後見制度支援預金」を利用することで、本人の財産を守ることができます。成年後見人等の財産管理の負担を軽減するとともに、不正行為を防止するための制度です。

 

1.後見制度支援信託

本人の財産のうち、日常的な支払いに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、普段使用しない金銭を信託銀行などに信託します。信託財産の払戻しや信託契約の解約などの場合には、家庭裁判所が発行する指示書が必要です。

 

2.後見制度支援預金

本人の財産のうち、日常的な支払いに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、普段使用しない金銭を銀行などの金融機関で開設できる「後見制度支援預金口座」に預け入れることができます。口座取引(出金・解約など)をする場合は、家庭裁判所が発行する指示書が必要になります。

 

支援信託は、信託できる額(最低受託額)が1円・5千円・1,000万円など金融機関によって異なります。また、信託報酬、解約手数料、振込手数料等の費用がかかる場合がります。

 

一方で支援預金は主に普通預金で管理が行われるため、預入金額は1円以上、一部振込手数料がかかる場合がありますが信託報酬や解約手数料はかからず、比較的利用しやすい制度となっています。

 

このように支援信託、支援預金共に取扱の有無や費用などが異なりますので、利用をする際は金融機関に確認が必要となります。

 

成年後見制度では、本人の日常生活や財産を守るために様々な業務を行います。他の記事では、申立の方法や裁判所が行う審査の内容など、成年後見制度を利用する際に必要な手続きの詳細についてお伝えしています。
 

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