2024.02.08
特別の方式の遺言「隔絶地遺言」|越谷の相続対策・遺言作成の相談は澤田朗FP事務所
遺言には普通の方式と特別の方式があり、普通の方式の遺言には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つがあります。
今回は特別の方式の遺言のうち、「隔絶地遺言」と呼ばれている「伝染病隔離者の遺言」「在船者の遺言」についてお伝えします。
■隔絶地遺言1〜「伝染病隔離者の遺言」
・民法
(伝染病隔離者の遺言)
第九百七十七条 伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。
一般隔絶地遺言とも呼ばれ、伝染病で隔離されている場合の他、行政処分で交通を断たれた場所にいる、刑務所に服役中、災害等で外部との接触等が遮断されている、といった、普通の方式の遺言が作成できない場合に作成する遺言です。
作成の条件や手順は次のとおりです。
・伝染病等のため行政処分によって交通を断たれた場所にいる
・警察官1人および証人1人以上が立ち会う
・遺言者本人が遺言書を作成
・遺言者、警察官、及び証人が署名押印
相続発生後は自筆証書遺言と同様に家庭裁判所の「検認」が必要となります。
■隔絶地遺言2〜「在船者の遺言」
・民法
(在船者の遺言)
第九百七十八条 船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。
船舶隔絶地遺言とも呼ばれ、船上での業務や航海等で長期間陸地から隔離されている状態の時に作成される遺言です。
作成の条件や手順は次のとおりです。
・船舶中に在る人
・船長又は事務員1人および証人2人以上が立ち会う
・遺言者本人が遺言書を作成
・遺言者、立会人および証人が署名押印
相続発生後は自筆証書遺言と同様に家庭裁判所の「検認」が必要となります。
なお航空機の中にいる場合は、搭乗時間が短いため在船者の遺言には該当しませんが、万が一墜落の危機等に直面した場合には、「船舶遭難者の遺言(難船危急時遺言)」の作成が可能です。
今回お伝えした2つの遺言が作成された後に遺言者が隔離から脱した場合には、普通の方式による遺言の作成も可能となります。そのため、この時から6か月間生存した場合には、特別の方式によって作成された遺言の効力は無効となります。
・民法
(特別の方式による遺言の効力)
第九百八十三条 第九百七十六条から前条までの規定によりした遺言は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から六箇月間生存するときは、その効力を生じない。
また隔絶地遺言ではありませんが、日本国外に在住している日本人が公正証書遺言や秘密証書遺言を作成する場合には、その国の日本領事館に駐在している領事が公証人となり遺言を作成できます。
・民法
(外国に在る日本人の遺言の方式)
第九百八十四条 日本の領事の駐在する地に在る日本人が公正証書又は秘密証書によって遺言をしようとするときは、公証人の職務は、領事が行う。
このように一般社会から隔離されている状態の場合や外国に住んでいる場合にも遺言書の作成が可能です。

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