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FP EYE 澤田朗FP事務所 越谷分所

2024.02.06

「代償分割」とはどのような遺産分割の方法なのか?|越谷の相続・遺産分割の相談は澤田朗FP事務所

相続の時には財産を遺す側・財産を受け取る側ともに、できるだけ争いやもめ事が無いようにしたいと考えると思います。

 

そのためにはできるだけ円満にかつ円滑に、遺産を分割する方法を考える必要がありますが、今回は遺産分割をするにはどんな方法があるのか、さらに分割方法のひとつである「代償分割」とはどのような方法なのか、その内容をお伝えします。

 

■遺産分割の方法は大きく3つ

遺産を分割する方法には、大きく次の3つがあります。

 

1つめは「現物分割」です。こちらはシンプルな方法で、例えば長男には不動産、次男には有価証券、預貯金は三男、というように、財産そのものをそのまま分割・相続する方法です。分割が比較的容易でわかりやすいですが、不動産など特定の財産の評価額が大きくなる場合には、相続人の間で受け取る財産額に差が出てしまうという問題も起きてしまいます。

 

2つめは「換価分割」です。相続財産に預貯金以外の不動産や有価証券があった場合に、売却して現金化し、それぞれの相続人に分割する方法です。相続人の間で受け取る財産に差が出ることが無いため公平な遺産分割が行えますが、

 

例えば、不動産を売却する時には仲介手数料や譲渡税等がかかる場合がありますので、その分、財産額が目減りしてしまいます。また、先祖代々相続をしてきた財産が形として残らないというデメリットもあります。

 

3つめが、今回詳細をお伝えする「代償分割」です。相続財産を、先にも例を挙げたように「長男には不動産、次男には有価証券、預貯金は三男」という現物分割した時に、不動産、とくに土地の評価額が高くなるケースがあり、結果、有価証券や預貯金を相続した他の相続人の「遺留分」を侵害してしまうケースがあります。

 

このような場合に、財産を多く受け取った相続人がその相続人本人の財産から、遺留分を侵害された相続人へ金銭を渡して(代償交付)、不公平感を軽減するのが代償分割となります。。

 

■代償分割のメリットや注意点は?

代償分割を活用すれば、売却できない・分割しづらい財産が大半を占める場合にも、換価分割のように財産を売却して現金化しなくても遺産分割ができます。また不動産など、特定の財産を特定の相続人に相続させたい場合にも、分割・共有などをせずに財産を渡すことができます。

 

一方で、財産を多く受け取った相続人が、代償交付のための自己資金を準備できない場合には、代償分割は活用することができません。

 

自己資金を準備できない場合には、生命保険を活用して資金を準備することもできます。

 

次のように「契約者・被保険者:被相続人 保険金受取人:財産を多く受け取る相続人」または「契約者・保険金受取人:財産を多く相続人 被保険者:被相続人」という生命保険契約を締結すれば、受け取った死亡保険金は「受取人固有の財産」となります。

 

この、固有の財産として受け取った死亡保険金を、代償交付の金銭として他の相続人へ支払うことで、代償分割が可能となります。

 

■どんな時に代償分割を活用するのか?

では代償分割は、どんな時に活用すれば有効な分割方法になるのでしょうか。お伝えしたように売却できない、分割しづらい財産が大半を占める場合が考えられます。

 

例えば子供3人が相続人で、引き続きそのうちの1人が住み続ける自宅があって、他に財産があまり無い場合には、自宅を売却して現金を受け取ったとしても、相続人の1人が生活の基盤を失ってしまうことになってしまいます。

 

また、被相続人の経営していた会社の自社株式があり、相続人の1人が経営に関与しているケースでは、その相続人に自社株式を相続させたほうがその後の経営にとってはプラスになります。

 

経営に関与していない相続人に自社株式が分散してしまうと、その後の経営にとってマイナスになる可能性もありますので、現物分割ではなく代償分割をしたほうが賢明です。

 

なお代償分割を行う場合は、相続が発生してからではなく、相続前に対策を立てておくことが必要です。代償交付のための資金準備や、それぞれの相続人がどの財産を受け取るかなど、被相続人となる人が中心となって生前に対策を考えておけば、相続人同士のもめ事も回避することができます。

 

遺言書などと合わせて活用できれば、相続発生後には相続人同士がその内容に沿って、円滑に遺産分割をすることも可能となります。

 

代償分割をはじめ、今回お伝えした3つの遺産分割の方法には、それぞれメリット・デメリットがあります。相続財産の内容や相続人の数、相続人同士の関係性などを考慮して、どのような遺産分割をすればより円満・円滑な相続ができるかを考えていただきたいと思います。

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